アートリア公国は13世紀の中世ヨーロッパがモデル!
映画ドラえもんシリーズ45周年記念作品『のび太の絵世界物語』を先日観てきました。
今作の目玉となっているのが、ドラえもんたちが絵の中に入って訪れる「アートリア公国」という中世ヨーロッパの世界です。

寺本幸代監督のインタビューによると、アートリア公国は「13世紀の中世ヨーロッパがモデルになっている」とのこと。
これは実に興味深い時代設定だと思いました。
13世紀といえば、十字軍遠征が行われていた時代であり、ヨーロッパ文化の基礎が形成された重要な時期でもあります。
中世の街並みが美しく描かれていて、特にイタリアの風景がモデルになっているようです。
個人的に、歴史好きとしては設定の細部までこだわっている点に感心しましたね。
イタリアの街並みを再現したアートリア公国の魅力
アートリア公国の街並みの美しさは、映画の見どころの一つです。
「中世ヨーロッパらしい街並みが美しかった」という感想を持った方も多いようですが、実はこの街並み、制作スタッフが実際にイタリアの各地で取材を行って再現したものなんです。

広場の雰囲気や、ベージュやブラウン、オレンジなどの色合いが特徴的な建物、さらには日の光のコントラストまで、イタリアを彷彿とさせる景観が見事に表現されています。
私がこの映画を観ていて特に印象に残ったのは、その色彩の豊かさです。
アートをテーマにした作品だけあって、アニメーションの色使いが本当に鮮やかで目を引きます。
「みんなの色で、世界はあざやかになる」というキャッチコピーにぴったりの映像美でした。
ちなみに主題歌を歌うあいみょんさんも、PRの一環としてドラえもんと一緒にイタリア・ローマを訪れていたんですよ。
アートリア公国のモデルはポンペイ遺跡?城は実在する?
映画の中でアートリア公国は「中世ヨーロッパに実在していたとされる幻の国」という設定になっています。
ただし、実際のヨーロッパの歴史を調べてもアートリア公国という国は存在しません。
現実には存在しない架空の国なんですね。
興味深いのは、アートリア公国のモデルになったと思われる遺跡が実在するという点です。

それは、イタリアのナポリ近郊にある「ポンペイ遺跡」という世界遺産。
ポンペイは紀元79年にベスビオ火山の噴火によってたった1日で滅んだとされる古代都市で、作中でアートリア公国も火山の噴火で滅び記録に残っていない幻の国という設定なので、内容が酷似しています。
また、映画に登場するアートリア城については、ローマのサンタンジェロ城が参考にされているようです。
あいみょんさんがドラえもんとイタリアを巡った際には、「ここから見える景色(テヴェレ川沿いからななめ左の方角に見えるサンタンジェロ城)が、本編のアートリア城にかかる橋が出てくるシーンに似ています」と語っていました。
制作陣もこの地を訪れ、橋のアーチのデザインを制作の参考にしたそうです。
アートリア公国に隠された秘密と「アートリアブルー」の謎
アートリア公国には「アートリアブルー」という幻の宝石が眠っているという設定もこの映画の重要なポイントです。
この宝石を巡って物語が展開していくわけですが、中世ヨーロッパの時代における「青」という色は非常に貴重で高価なものでした。
特に「ウルトラマリン」と呼ばれる鮮やかな青色の顔料は、当時最も高価な絵の具として知られていました。

ラピスラズリという石から作られていたんですよ。
作中の「アートリアブルー」は、このような歴史的背景をモチーフにしているのかもしれません。
映画ではニュースで話題になっている「数十億円の価値がある絵画」という設定もありますが、中世の貴重な青色顔料を使った絵画が現代で高額な価値を持つという設定は、実にリアリティがあると思いました。
個人的に美術館巡りが好きな私としては、こういった芸術的な要素が盛り込まれているのは嬉しいですね。
絵の世界に飛び込む冒険!ひみつ道具「はいりこみライト」の活躍
物語の鍵となる道具が「はいりこみライト」というひみつ道具です。
これを使うと、絵の中に入って探検することができるんですね。
のび太が夏休みの宿題である絵に取り組んでいる時に、突然絵の切れ端が落ちてきて、この道具を使って絵の中に入ることから物語が始まります。
絵の中に入るという設定は、過去のドラえもん作品では使われていなかった新しい発想だそうです。
寺本監督も「絵の中に入るのは今までの映画にはなかったので、面白いな」と思って引き受けたと語っています。

タイムマシンを使わずに過去を訪れるという斬新なアプローチですね。
私も絵の中の世界に入ってみたいと思うこと、ありますよ。
特に美術館で見る名画の世界に足を踏み入れてみたら、どんな冒険ができるだろうかと想像すると、わくわくします。
まとめ:映画ドラえもん「のび太の絵世界物語」が魅せる中世の絵画世界
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』に登場するアートリア公国は、13世紀の中世ヨーロッパをモデルにした架空の国であることがわかりました。
特にイタリアの街並みや建築様式を参考に作られており、映像美にこだわった作品となっています。
寺本幸代監督は「のび太くんみたいにあまり絵が得意じゃない子供たちが観た時に、絵のことがちょっとでも好きになったり、興味を持ったり。そういう映画になったらいいな」と語っています。
ドラえもんの映画は、いつも子どもたちに新しい世界や知識への扉を開いてくれますね。

今回の作品も、中世ヨーロッパやイタリアの文化、芸術の世界に触れるきっかけを提供してくれる素晴らしい内容でした。
大人の私も楽しめましたし、子どもたちはもっと魅了されることでしょう。
映画館で見逃した方は、DVD発売が待ち遠しいですね!
Citations:
- https://note.com/a_kawasaki1926/n/nf2f67e43cc29
- https://www.dora-world.com/contents/3686
- https://ameblo.jp/roninfilms/entry-12887749379.html
- https://dora-world.com/contents/3759
- https://www.excite.co.jp/news/article/pia_jp_f1a070a8_3438_4463_862e_4de075824db9/
- https://dora-world.com/contents/3792
- https://www.wallop.tv/magazine/doraeiga2025-esekai-story/
- https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2
- https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=025537
- https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1740616266
- https://www.youtube.com/watch?v=0NfbTeoJ3FM
- https://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/news/0677/
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